「雷汞 -RAIKOH-」
薬莢にザラメを詰め込んだ拳銃を
十年前の今日 君に発砲した
芳ばしく甘い香りに包まれた世界で
二人一緒に生きたかった
虹よりも色鮮やかで 星よりも光り輝く幾年月
晴れる気のしない暗雲に覆われた日も変わりなく求め合い 応え合い 必要とし合う 遠い夏の
夕刻の夢
人は浄土を求め 定員オーバーのエレベーターに駆け込むように生き急ぐ
一方で人はタブーに溺れ 歩んだ旅路は決して真っ直ぐではなく むしろ醜いものであるのが丁度
欲と砂糖は甘やかにとろけるが 食べ過ぎれば蝕まれる
それでも懲りずに執拗に舐めまわす 戦争と倫理の鼬ごっこと同じ図式 いつの世も飽き足らない
蜜の味
似たよな白い粉でも 雷汞を口に放り込んで変化への起爆剤としよう
ほんのり微糖 変わるべきは時代か自分か解るかもよう 「だけど死ぬよう」
ザラメ入りの弾丸を握りしめたままで本日も終了の時刻です
甘っちょろい思い出を「まだ潰えていない」と願う日がまたひとつ過去になっただけ
もう何年も変わりのないこと
とうに劣化した不発弾になっていますよというオチも
万事滞りなく計算通り


